書評:アフリカ 苦悩する大陸
アフリカ 苦悩する大陸 経済誌『エコノミスト』の元アフリカ担当の方が著者。
アフリカ駐在の経験を元にアフリカの過去、現在の問題点を鋭く突っ込んでいる。
目次:
・吸血国家 エリートによるエリートのための独裁主義
・ダイヤを掘る 墓穴を掘る
・「眠れる資産」が栄光へと導く
・セックスは死と隣り合わせ
・宿怨の三つの温床 部族主義、派閥主義、人種主義
・どうする?援助と自由貿易
・でこぼこ道と盗人警官
・ハイテク技術は貧困を救えるか?
・南アフリカは希望の星になれるか?
・一歩ずつ確実に 「豊かな」未来に向けて
過去にも海外から多くの資金的・人的・技術的援助を受けているのにちっとも伸びないアフリカの国があるのか・・本書では経済的な観点ので問題を提示しています。
たとえば、「でこぼこ道と盗人警官」の章ではカメルーンの首都から500Km離れた場所へビール1600ケースを運ぶのに4日間かかり、積荷が2/3になってしまうらしい。
なぜかというと47回の路上検問で足止めをされて、警官から袖を引っ張られるからだそな。
著者が実際にトラックに乗車した際に遭遇した警官の難癖(勝手に法律をでっち上げる、書類の不備をでっち上げる、などなど)は本当に笑えないものばかり書いてある。
こんなことが日常的に行われているからこそ、経済が伸びないし、物が潤沢にいきわたらない。
負の連鎖の毎日ですね。
アフリカの現実を問題の核心を知りたい方、国際協力の仕事をされている方は是非本書を一読あれ。